アクサ・ホールディングス・ジャパン株式会社
人事部 カルチャー CoE部長
竹田和弘様
I&D推進担当
内海智美様
聞き手 木下明子(プレジデント ウーマン編集長)
2025年11月、アクサ・ホールディングス・ジャパンが開催した女性活躍推進イベントに、プレジデントウーマン総研所長の木下明子が登壇しました。以前より女性活躍を推進してきた同社がいま、改めて発信したメッセージとは――。 開催の背景と、参加した従業員たちに生まれた「意識の変化」を振り返ります。
課題
意識調査で、非管理職女性のエンゲージメントが低かった
目標
非管理職女性のエンゲージメントを向上させる
――御社は女性管理職比率などにおいて先進的なイメージがあります。あえて今回、講演をご依頼いただいた背景には、どのような課題感があったのでしょうか?
内海 きっかけは、社内で定期的に実施しているパルスサーベイ(従業員意識調査)の結果でした。分析してみると、「非管理職の女性従業員」のエンゲージメントスコアと管理職のスコアにギャップがあり、昇進意識などへの影響も含め、エンゲージメントが向上する可能性があると感じたからです。
当社は早くから会社として女性活躍推進を掲げ、継続的に活動してきましたが「ダイバーシティ推進」という言葉だけでは、どうしても内容が抽象的になりがちです。「何をすればよいのか」「自分事として捉えるにはどうしたらよいのか」という状況に対して、より具体性を持たせ、行動を促す必要がありました。
そんなとき、弊社常務の川野多恵子から、木下さんの著書『図解!ダイバーシティの教科書』を渡されたのです。拝読すると、「(管理職は)完璧じゃなくていい」「まずはこれをやってみよう」といった、行動に落とし込まれた実践的なアドバイスがたくさんあったので、これなら現場の従業員にも分かりやすく、背中を押すきっかけになるはず。そう考えて、講演会を企画しご登壇の依頼をさせていただきました。
今回は当事者である非管理職の女性従業員だけでなく、彼女たちを支える管理職層にも参加を呼びかけました。双方の視点から、理解を深めてほしいと考えたからです。
―― 著書がお役にたててうれしいです。オンラインでの講演には485名もの従業員の方々が参加されたと伺いましたが、講演後の反響はいかがでしたか?
内海 参加人数も予想以上でしたが、反響の大きさはそれ以上でした。アンケート結果で最も多かったのは、「気持ちが楽になった」「元気が出た」という感想です。
一般的に「女性管理職」というと、ワークライフバランスの中でワークに重きを置いた働き方を求められるとイメージされがちです。しかし、木下さんは講演でご自身の「弱さ」を率直に自己開示してくださいました。それを聞いて「『管理職でも完璧でなくていい』とわかって、気が楽になった」という感想が数多くありました。女性は男性と比較して、仕事と家庭の両立も含めて不安を感じている人が多いからでしょう。
「今の自分のままで、上を目指してもいい」。 そう思えたことが、多くの女性従業員にとっての大きな安心感や自信につながったと思います。また、木下さんが小学生のお嬢さんの育児についてリアルなお話をされたことも、子供を持つ従業員が親近感を持った大きな要因だと思います。
――講演の中で、特に印象に残っているキーワードはありますか?
内海 「インポスター(詐欺師)症候群」の話は、特に印象的でした。女性は「実力が100%に達していないから、昇進する資格がない」「昇進の打診を受けているが、本当は足りないところがあるはず」と考えがちです。一方で男性は「60%くらいできれば手を挙げる」という傾向がある。この対比を聞いて、女性自身が「自分の中にそういうバイアスがあったんだ」と気づけたことは大きな収穫でした。
同時に、「女性が手を挙げないのは、やる気がないからではない。自信が持てないだけかもしれない」と多くの管理職が気づく機会にもなり、彼らの理解も深まりました。また、「ロールモデルは一人に絞らなくていい。複数の人の良いところを組み合わせればいい」というお話も、多くの共感を集めましたね。
――「完璧主義を捨てたほうが、マネジメントも両立もうまくいく」という話もさせていただきました。
内海 その言葉を受けて、管理職からは「完璧主義の部下に『周りを頼っていいんだよ』と声をかけてみようと思った」「もっと背中を押してあげたい」といったポジティブな声が多く寄せられています。
当事者である女性たちと、それを支える上司。この「両輪」の意識改革にアプローチできたことは、非常に意義深かったと感じています。
もう一つ木下さんのお話しで印象的だったのが「会社や上司は、女性の家事・育児・介護よりも『キャリア』を応援する」という一言です。 「この考えが日本中に広まれば、日本の女性活躍は一気に進むはずだ」。そんな熱い感想も届いています。
―― 今後の展望や、さらに強化していきたいポイントについて教えてください。
竹田 今回のイベントには大きな手応えを感じましたが、I&D推進は一過性のイベントで終わらせてはいけないと思っています。女性管理職比率も少しずつ上がっていますが、今後も継続的な啓蒙活動が不可欠だと思っています。
弊社は全国に拠点があり、オンラインでイベントに参加できる環境があるものの、参加者は本社の従業員が中心になりがちです。しかし、呼びかけ方を工夫することによって、今回は東京以外の営業拠点の従業員が多く参加してくれ、良い成果が得られました。
また、現場のマネジメントにおいてさらに強化したいのが、「意識的な対話」です。部下のキャリアだけでなく、時には悩みも含めて話せる関係性を築くこと。これは、待っていても自然発生的には生まれません。管理職が「意識的に」取り組んで初めて、変わっていく部分だと考えています。
――まさにその通りですね。何事も、自然にできるものではないと思いますので、ぜひ意識的に自己開示していただきたいと思います。
管理職だって 「完璧じゃない」「弱いところもたくさんある」そうやって、上司が自己開示することが、結果として部下の自己開示や本音で話すことにもつながる。そうすることで、信頼関係が深まり、結果、組織が強くなっていくのだと思います。
今回の講演が、多くの従業員の方にとってそのきっかけになれたらうれしいです。アクサジャパンの企業カルチャーがここからさらにどう進化していくのか、私も楽しみにしています。本日はありがとうございました。
効果
女性が「今のままで上を目指していい」と思える安心感につながった
管理職が、女性のインポスター症候群に気づくなど意識改革につながった
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。
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