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危機意識を持つことが市場価値の向上へ繋がる:企業と個人の未来を切り拓く鍵

今日のビジネス環境において、危機意識と市場価値は密接に関連し、企業の成功を左右する重要な要素となっています。本記事では、危機意識が市場価値に与える影響や、市場価値を高めるための具体的なアプローチ、そして危機意識と市場価値の統合がもたらす長期的な成功について解説します。さらに、市場価値を可視化する手法として注目される「市場価値(統合型人間力)テスト」についても詳しく紹介します。

市場価値とは何か?

市場価値とは?

価値とは“役に立つ程度”を示します。役に立ったかどうかは他者の判断です。つまり、個人や社会や世の中に対して、役に立つこと、役に立つモノを提供できるかどうかです。

終身雇用を前提としたパートナーシップ型雇用の世界、これまでのような閉ざされた世界では、社内の評価だけを気にしていれば良かったのですが、今や転職が当たり前の時代において、社内の評価だけでは、“井の中の蛙、大海を知らず”という状況に陥る危険性を伴います。社内の評価のみならず、社外の評価をきちんと把握することが重要で、社外の評価が“市場価値”に該当します。

また、経済学的な視点では、価値を数値で表したものが価格です。価格は“需要と供給のバランス”で決定します。事業の世界では、未成熟市場に新規性、独自性が高く、質が良いものを提供できれば、一人勝ちですね。オンリーワンなので、需給バランスから価格は高騰します。このような市場には同じような商品を提供する2番手、3番手が出現します。この時点で、オンリーワンからナンバーワンになります。胡坐をかいて、イノベーションを怠ると、いつのまにか、ナンバー2、ナンバー3に転げ落ち、市場から撤退という憂き目に遭うのです。

これは事業のみならず、皆さん個人にも言えることです。自分という商品価値を高めるためには、パーソナルマーケティングの視点がこれまで以上に重要になるでしょう。

なぜ、市場価値が重要なのか

個人にとって、マインドセット(心構え)の変革が大前提となります。“雇う・雇われる”という垂直、上下の雇用関係から、”売る・買う“という水平、フラットな契約関係へ、”就社から就職へ“という時代の流れです。”社畜“と揶揄されたサラリーマン時代が終焉し、高い専門性を有するプロフェッショナルの時代が到来したのです。

今、ジョブ型採用という言葉をよく耳にしますが、職に就くのですから、職種(例えば、営業、マーケティング、財務会計、研究開発等)×産業(金融、不動産、自動車、流通サービス等)×職位(リーダー職、課長職、部長職等)という3次元のマトリクスが徐々に標準化していくことでしょう。今は過渡期ですが、あと5~10年もすれば、転職がコモディティ化する世界、アメリカのように標準化されることでしょう。

市場価値を左右する要因とは?

所属するチームへの成果、貢献度が評価され、報酬に結びつくのですが、市場価値の構造を理解することから解明できます。能力の構造の中央に位置する、ミッション(使命感、責任感、コミットメント)とビジョン(目的地、理想像、在りたい姿)です。時間軸で説明すると、今、現在、駆り立てられる原動力(エンジン)と未来への推進力(ドライビングフォース)です。解像度が高ければ高い程、これらの力が働き、他のビジネス基礎能力へ波及していくため、ビジネス基礎能力が劇的に高くなります。私はビジネスをする上でのOSと呼んでおりますが、良いOSの上にアプリ(=実務能力)が搭載されるとパフォーマンスはより高くなります。

危機意識の重要性~変革を促す原動力

危機意識は、企業や組織が直面する課題や脅威を認識し、それに対応するための原動力となります。適切な危機意識を持つことで、企業は環境の変化に柔軟に対応し、競争力を維持・向上させることができます。

ジョン・P・コッターの8つのステップとは?

ハーバード・ビジネス・スクールの教授であるジョン・P・コッターは、組織変革を成功させるための8つのステップを提唱しています。その第1ステップが「危機意識の醸成」です。コッターによれば、組織全体に危機意識を浸透させることで、変革の必要性を理解し、行動を起こすモチベーションが生まれるとされています。

危機意識が市場価値に与える影響

適切な危機意識は、企業の市場価値向上に大きく貢献します。危機を認識することで、企業は新たな機会を見出し、イノベーションを推進することができます。また、危機に備えた対策を講じることで、投資家からの信頼を獲得し、企業価値の向上につながります。

変革のリーダーシップ:成功に導くための秘訣

変革を成功させるためには、強力なリーダーシップが不可欠です。リーダーは危機意識を組織全体に浸透させ、明確なビジョンを示すことで、従業員の意識改革と行動変容を促進します。また、リーダー自身が率先して変革に取り組む姿勢を示すことで、組織全体の変革を加速させることができます。

市場価値を高めるための具体的アプローチ 変革のリーダーシップ:成功に導くための秘訣

企業が市場価値を高めるためには、様々な要素を統合的に管理し、戦略的に活用することが重要です。ここでは、ミッション、ビジョン、ストラテジー、バリューという4つの観点から、市場価値向上のアプローチを解説します。

ミッション(現在の原動力)がもたらす市場価値

企業のミッションは、その存在意義を示すものであり、社員の行動指針となります。明確で意義深いミッションは、従業員のモチベーションを高め、企業文化の形成に寄与します。結果として、生産性の向上や顧客満足度の改善につながり、市場価値の向上に貢献します。

ビジョン(未来への推進力)がもたらす市場価値

ビジョンは企業の将来像を示すものであり、社員や投資家に対して明確な目標を提示します。魅力的なビジョンは、企業の成長可能性を示し、市場からの評価を高めることにつながります。また、ビジョンの実現に向けた取り組みが、イノベーションや新規事業の創出を促進します。

ストラテジー(ビジョンに辿り着くための道筋、アクションプラン)がもたらす市場価値

ビジョンを実現するための具体的な戦略は、企業の競争力を左右します。効果的なストラテジーは、経営資源の最適配分や市場ポジショニングの確立を可能にし、企業の持続的な成長を支えます。結果として、企業の収益性や成長性が向上し、市場価値の上昇につながります。

バリュー(過去から現在までに培われた行動の規範となるもの)がもたらす市場価値

企業のバリューは、組織文化の基盤となる重要な要素です。強固なバリューは、社員の一体感を醸成し、企業ブランドの構築に寄与します。また、バリューに基づいた意思決定や行動が、顧客や取引先からの信頼獲得につながり、長期的な企業価値の向上に貢献します。

企業が市場価値を高める戦略とは?

市場価値を高めるためには、上記の4つの要素を統合的に管理し、一貫性のある戦略を展開することが重要です。具体的には、以下のような取り組みが効果的です:

  1. イノベーションの推進と新規事業の創出
  2. 顧客満足度の向上とブランド価値の強化
  3. 効率的な経営資源の配分と収益性の改善
  4. ESG(環境・社会・ガバナンス)への積極的な取り組み
  5. 人材育成と組織文化の醸成

これらの戦略を効果的に実行することで、企業は持続的な成長を実現し、市場価値の向上を図ることができます。

危機意識を持つことのメリットと成功事例

危機意識を適切に持つことは、企業にとって様々なメリットをもたらします。ここでは、危機意識がもたらす変革の可能性や、実際の成功事例を通じて、その重要性を探ります。

危機意識が生み出す変革の可能性

適切な危機意識は、組織に変革の機会をもたらします。危機を認識することで、既存のビジネスモデルや業務プロセスを見直し、新たな価値創造の可能性を探ることができます。また、危機意識は社員の意識改革を促し、イノベーションや効率化への取り組みを加速させる原動力となります。

成功した企業の例から学ぶ~危機意識の重要性

多くの成功企業が、危機意識を活かして大きな変革を遂げています。例えば、私がかつて在籍していたIBMは1990年代に深刻な経営危機に直面しましたが、危機意識を持って大胆な事業転換を行い、ハードウェア中心からソフトウェアとサービス中心の企業へと生まれ変わりました。また、アップルも1990年代後半に経営危機に陥りましたが、スティーブ・ジョブズの復帰後、危機意識を持って製品戦略を見直し、iMacやiPodなどの革新的製品を生み出しました。

危機意識を持つことが市場価値に与えるプラスの影響

適切な危機意識は、企業の市場価値向上に大きく貢献します。具体的には以下のようなプラスの影響が考えられます:

  1. イノベーションの促進:危機意識が新たな発想や技術開発を促進
  2. コスト削減と効率化:危機に備えた経営効率化が収益性を向上
  3. リスク管理の強化:潜在的なリスクへの対応力が向上し、企業の安定性が増す
  4. 組織の活性化:危機意識が社員の意識改革と積極的な行動を促進
  5. 市場適応力の向上:環境変化への迅速な対応が可能に

これらの要因が相互に作用することで、企業の競争力が高まり、結果として市場価値の向上につながります。

未来を見据えた市場価値と危機意識の統合

グローバル化やテクノロジーの進化により、ビジネス環境は急速に変化しています。このような状況下で、企業が持続的に成長し、市場価値を高めていくためには、未来を見据えた危機意識と市場価値の統合が不可欠です。

グローバル市場における市場価値の未来

グローバル市場では、企業の市場価値を評価する基準が多様化しています。従来の財務指標に加え、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みなど、非財務情報の重要性が増しています。また、デジタルトランスフォーメーションへの対応力や、イノベーション創出能力なども、市場価値を左右する重要な要素となっています。

新たな危機意識を持つための方法

変化の激しい現代において、新たな危機意識を持つためには、以下のようなアプローチが効果的です:

  1. 定期的な環境分析:PEST分析やSWOT分析を活用し、外部環境の変化を常に把握
  2. シナリオプランニング:複数の未来シナリオを想定し、それぞれに対する対応策を準備
  3. イノベーション文化の醸成:失敗を恐れず新しいアイデアを試す組織文化を構築
  4. ステークホルダーとの対話:顧客、取引先、投資家など多様な視点を取り入れる
  5. テクノロジーの活用:AIやビッグデータを活用し、潜在的なリスクや機会を早期に察知

危機意識と市場価値の統合がもたらす長期的な成功

危機意識と市場価値を適切に統合することで、企業は長期的な成功を実現できます。具体的には以下のような効果が期待できます:

  1. 持続可能な成長:環境変化に柔軟に対応しながら、安定した成長を実現
  2. レジリエンスの向上:予期せぬ危機にも強い組織体制の構築
  3. イノベーションの継続:常に新しい価値を創造し続ける組織文化の確立
  4. ステークホルダーからの信頼獲得:透明性の高い経営と積極的な情報開示による信頼関係の構築
  5. 優秀な人材の獲得・定着:明確なビジョンと成長機会の提供による人材競争力の向上

これらの要素が相互に作用することで、企業の長期的な競争力と市場価値の向上につながります。

市場価値を可視化~市場価値(統合型人間力)診断テストとは?

企業の持続的な成長と競争力強化において、人材の市場価値を正確に把握し、育成することが重要性を増しています。そこで注目されているのが、「市場価値(統合型人間力)診断テスト」です。このテストは、個人や組織の総合的な能力を可視化し、人的資本経営の実現に向けた具体的なアプローチを提供します。

市場価値(統合型人間力)診断テストとは?

市場価値(統合型人間力)診断テストは、プレジデント社の長年に亘る知見を融合させ、企業変革創造代表、”市場価値の父”と称される藤田聰氏が開発した新しい診断ツールです。このテストは、ビジネス基礎能力、性格特性、ストレス値、推定年収、イノベーション人材評価の5つの柱で個人の能力を多角的に評価します。

特長的なのは、"心・技・体"という統合的な視点で市場価値を捉える点です。これにより、単なるスキル評価にとどまらず、個人の統合的な人間力を測定することが可能となります。また、25年以上の歴史を持ち、200社以上での採用実績と50万人以上のビジネスパーソンによる受検実績があることも、このテストの信頼性を裏付けています。

背景にある能力の全体構造-セブンレイヤーズモデル

市場価値(統合型人間力)診断テストの基盤となっているのが、「セブンレイヤーズ(PRESIDENT Model)」です。これは、1998年にリリースされたセブンレイヤーズモデルを2024年に令和版としてアップデートしたフレームワークです。

このモデルでは、心・技・体を更に細分化した階層構造の内、技の部分を7つの階層、10の能力によって構成されると考えます。最新版では、時代のニーズに応じて「パーソナルミッション」と「戦略的学習能力」という2つの新しい評価項目が追加されています。

特筆すべきは、このモデルが従来のカッツモデルとは逆の視点を持っている点です。概念化能力を中核に、上層に人間系能力、更に上層に、専門的・機能的能力を位置付け、同時並行で獲得していくアプローチを採用しており、より速い自己成長を促進します。


市場価値(統合型人間力)診断テストの詳しい説明はこちら


​​​​​​​<市場価値(統合型人間力)診断テスト受検付きの説明会はこちら

活用、導入した個人や企業(経営者、人事部)の声

市場価値(統合型人間力)診断テストは、日本を代表する多くの企業で導入されています。トヨタ自動車、日立製作所、Panasonic、NTTグループ、東京海上日動火災保険、関西電力、キリンビール、資生堂、DENSOなど、様々な業界のリーディングカンパニーがこのテストを採用しています。

導入企業からは、以下のような声が聞かれています:

  • 「社員の能力特性を可視化することで、適材・適所の人材配置に役立っている」
  • 「組織全体の能力特性が見える化され、戦略的な人材育成計画の立案に活用できている」
  • 「ストレス値を指標とした健康経営の実現に貢献している」

導入することで実現できること→一人ひとりの個人が変革した組織生産性の向上、組織の活性化、美点凝視の文化創造、…

市場価値(統合型人間力)診断テストを導入することで、以下のような効果が期待できます:

  1. 組織生産性の向上:個々の強みを活かした適材・適所の人材配置により、組織全体の生産性が向上します。特に、ストレス値をバロメータとした再配置により、より生産性の高い組織を実現できます。
  2. 組織の活性化:能力の可視化による公正な評価と成長機会の提供により、社員のモチベーションが向上します。また、危機意識の醸成を通じて、個人の行動変容を促進します。
  3. 美点凝視の文化創造:個人や組織の強みに焦点を当てることで、ポジティブな組織文化が醸成されます。
  4. 健康経営の実現:ストレス値を指標とした組織健康診断により、具体的な改善策を講じることができます。
  5. 人材育成の効率化:概念化能力をベースとしたアプローチにより、次世代リーダーの早期発掘と育成が可能になります。
  6. エンゲージメントの向上:個人の市場価値を可視化することで、自己成長への意欲が高まり、組織へのコミットメントが強化されます。
  7. 離職率の減少:適切な人材配置と成長機会の提供により、従業員満足度が向上し、離職率の低下につながります。
  8. イノベーションの促進:多様な能力を持つ人材の発掘と育成により、新たな価値創造の機会が増加します。

市場価値(統合型人間力)診断テストの導入は、単なる人事評価ツールにとどまらず、組織全体の変革と成長を促進する重要な施策となります。個人の能力開発と組織の目標達成を有機的に結びつけることで、企業の持続的な競争力向上と市場価値の向上につながります。

以上、危機意識と市場価値に関する包括的な解説となります。この内容を通じて、企業が危機意識を適切に持ち、市場価値を高めていくための具体的なアプローチやその重要性について理解を深めていただければ幸いです。



監修

藤田 聰
藤田 聰
株式会社企業変革創造 代表取締役社長 市場価値測定研究所 所長 慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程専修。立教大学経済学部経営学科卒業。 同大学社会学部野田一夫研究室に3年間在籍(内、ペンシルバニア大学経営学部(ウォートン・アンダーグラデュエイト)に1年間在籍、同大学ラグビー部所属)。 日本IBM、PAOS、コーポレイトディレクション(子会社組織人事系コンサルティング会社取締役)を経て独立。1997年、どの会社でも適用できる人材評価基準およびアセスメントツールの必要性から市場価値測定研究所設立、2010年、株式会社企業変革創造設立。2020年、留学の意義や価値を普及・啓蒙のための一般社団法人海外留学推進機構設立。 1999年より、立教大学経営学部兼任講師及び日本生産性本部主任講師。現在、早稲田大学トランスナショナルHRM研究所 招聘研究員。国家資格キャリアコンサルタント、NPO留学協会理事、留学協会認定 海外留学アドバイザー。日本生産性本部認定 大学キャリア・アドバイザー。 専門家ポータルサイト『All About』の「キャリアプラン」および「リーダーシップ」のオフィシャルガイドを務め、計200本以上の関連記事を執筆。
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